2006 Fiscal Year Annual Research Report
仮想環境における運動療法の健康心理学的な解析手法に関する研究
Project/Area Number |
18500553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
田中 聡 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教授 (40405519)
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Keywords | 仮想環境 / バーチャルリアリティ / 運動療法 / 健康心理学 |
Research Abstract |
本研究はバーチャルリアリティ技術を利用して仮想環境内でスポーツを利用した運動療法を行い,その効果を検討するものである.具体的な効果判定には,仮想環境空間でテニスや卓球,スノーボード,ドッジボール,空手(瓦割り),ウォーキングを行うことができるバーチャルスポーツシステムを通して運動機能評価(筋力・立位バランス・足底圧分布など)と健康心理学的側面(抑うつ度評価・QOL評価など)から評価を行う. 今年度は,本システムの安全面について健常者を対象に検証を行った.仮想環境内でのテニス,スノーボードにおいては楽しみながら運動が可能なことが確認された.高齢者を対象とした際の安全面の配慮としてはテニスの場合,ラケットの重量やポールとラケットの接触判定の基準に注意が必要である.またスノーボードにおいては現実空間に存在するボードへの乗り降りの際の注意と回転運動であるので手すりの位置が重要であることを確認した.さらに,来年度行う高齢者を対象とした効果判定のための評価内容も検討した.まず身体機能評価は,身体動揺検査システムを構築し,足底圧と重心動揺が同時測定可能なWin-pod(メディキャプチャ社製)を使用した評価手法を検討した.大学生と中高齢者の平均値を算出し検討した結果,重心動揺はバランス指標として判定に使用できると考えられるが,足底圧分布の解析については評価法のさらなる検討が必要である.また,加速度計による身体動揺の計測方法については,静止立位では十分な変化を追えないことが分かり,新たな測定条件を考慮する必要がある.仮想環境下での運動療法が心理面に及ぼす影響についての評価方法については,運動後の爽快感や不安,疲労などは日本版POMS, QOLの評価についてはSF-36の使用を検討した. 来年度においては、今年度確立した評価方法を用いて仮想環境における運動療法効果の測定および解析を行う予定である.
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