2007 Fiscal Year Annual Research Report
フルクトース摂取による肥満発症機序の解明と予防法の開発
Project/Area Number |
18500564
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山崎 聖美 National Institute of Health and Nutrition, 基礎栄養プログラム, 上級研究員 (00218439)
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Keywords | フルクトース / スクロース / 肥満 / 高脂肪食 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
1.高スクロース食摂取マウス及び高脂肪食(サフラワー油食あるいはバター食)摂取マウスの脂肪肝発症に対する魚油の効果の違いとその機序ddYマウスに高スクロース食、あるいは高脂肪食(60en%サフラワー油またはバター)を11週間摂取させたところ、どのマウスも脂肪肝を発症した。このモデルマウスを用い、10en%魚油の脂肪肝への効果について調べた。その結果、高スクロース食による脂肪肝を魚油は抑制した。これは高スクロース食によって肝臓でさかんになった脂肪酸合成が魚油によって抑えられたためであった。一方、高サフラワー食による脂肪肝を魚油はさらに悪化させた。これは、高サフラワー食によって活性化されたPPARγを魚油がさらに活性化し、また、インシュリン抵抗性が生じたためであった。高バター食は高サフラワー油食よりも肝臓にTGを多く蓄積させたが、高バター食による脂肪肝には魚油は影響しなかった。高バター食により活性化されたPPARγは魚油によって抑えられていたが、食後血中TG濃度が高いために脂肪肝を改善するまで至らなかったと考えられた。以上の結果から、魚油は高スクロース食による脂肪肝に対しては非常に効果がある食品であることが明らかになった。一方、高脂肪食による脂肪肝に対しては効果がないか、サフラワー油食のような脂肪に対してはむしろ悪化させ、脂肪肝の原因によって魚油の効果が異なることが明らかになった。 2.肝臓特異的PGC-1β過剰発現マウスに対する肝臓でのDGAT1発現抑制の効果肝臓特異的にPGC-1βを過剰発現させるとDGAT1の発現が増加し、血中TG濃度も増加する。そこで、肝臓特異的にDGAT1の発現を抑制するshRNAを発現するアデノウィルスを作製し、実際肝臓にPGC-1βを過剰発現させた上でDGAT1の発現を抑制したところ、血中TG濃度の増加が抑制された。
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Research Products
(2 results)