2008 Fiscal Year Annual Research Report
フルクトース摂取による肥満発症機序の解明と予防法の開発
Project/Area Number |
18500564
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山崎 聖美 National Institute of Health and Nutrition, 基礎栄養プログラム, 上級研究員 (00218439)
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Keywords | フルクトース / スクロース / 肥満 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
1.脂肪肝を予防する食品成分の検索 肥満抑制効果、血中TG濃度増加抑制効果で知られているカテキン、イソフラボン、レスベラトロール、大豆タンパクについて、高脂肪食により発症する脂肪肝の予防効果について調べた結果、大豆タンパクが最も良く高脂肪食によって発症する脂肪肝に対する予防効果を示すことがわかった。さらに、検討したところ、大豆タンパクは、高炭水化物食により発症する脂肪肝にも予防効果があることが明らかになった。その際には、肝臓で新規脂肪酸合成を活性化する転写因子SREBP-1cやChREBPの活性化が大豆タンパク投与によって抑制されていた。 2.高スクロース/フルクトース食摂取マウス及び高脂肪食摂取マウスの解析 高スクロース/フルクトース食摂取によって通常肝臓では転写因子SREBP-1cが活性化される。しかし、SREBP-1cが活性化されないマウス系統も存在する。そこで、両マウスのSREBP-1cプロモーター領域について、クローニングしシークエンスを比較した。しかし、その結果、反応性の違いに結びつくような転写因子結合部位の違いはみられなかった。さらに、高脂肪食摂取によって肝臓では転写因子PPARγが活性化されるが、マウス系統によって、その活性化が異なることを見出した。それぞれのプロモーター領域をクローニングし、ラット肝臓培養細胞を用いてレポータージーンアッセイを行った結果、in vivoほどの差はみられなかったが、やはり反応性が異なり、PPARγプロモーター領域にはマウスによって高脂肪食摂取により異なる発現調節機構が働いていることが示唆された。
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