2006 Fiscal Year Annual Research Report
子ども達の睡眠習慣の確立と心身の健康および学力等への影響
Project/Area Number |
18500569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (50143839)
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Keywords | 睡眠習慣 / 学力 / 重心動揺 / 生活実態 / 児童 / テレビ・ゲーム時間 / 社会的不適応 / 就寝時刻 |
Research Abstract |
子ども達の睡眠習慣の確立の遅れや未形成によって、社会的不適応や心の荒れ、学力や運動能力等への影響が現れるのではないかと考え、研究を進めてきた。本年度は、睡眠リズムを中心とした生活実態と心身状況の関連を確かめる目的で、調査研究の協力が得られた小学校において、生活実態調査、学力調査、重心動揺検査を実施し分析を行った。 生活実態調査は1年生から6年生まで469名の有効票を分析した。まず、睡眠習慣では、小学生の就寝時刻が9時台36%、10時台32%、11時以降も13%と遅い傾向が認められた。そしてこの就寝時刻の遅れが、寝つきや熟睡感、朝の目覚め、昼間の眠気、朝からのあくびなどの睡眠および生活の質に有意に悪い影響を及ぼすことがわかった。また、就寝時刻の遅れは、テレビやゲーム等の時間や、塾・習い事の回数の多さと有意に関連し助長されることも判明した。さらに、日中の遊びや運動量が少ないことも就寝時刻を遅延させる一因となり、昼間の生活の質と夜間の睡眠の質が連動することもわかった。同様に、夜更かしを助長するテレビ視聴時間は、長いほど基本的生活習慣の未確立や、集中力の低下、イライラ感などの精神面、さらに夜更かし以外の睡眠習慣の悪さとも関連が認められた。ゲーム、パソコン、メールの時間と、生活習慣および精神面についても、テレビ視聴時間と同様の傾向が見られた。学力と生活調査との関連では、3年生と6年生において就寝時刻が遅いほどテストの平均点が低くなる傾向が認められた。また、テレビやゲーム等の時間の長さは、健康状態や学力とも有意に関連していた。 重心動揺検査では、全体的に男子よりも女子の方が重心同様が小さかった。就寝時刻、起床時刻よりも、熟眠感の低い児童が重心動揺が大きくなる傾向が見られた。また、生活実態調査と重心動揺の関連を分析したところ、ここでもやはり、テレビ視聴時間が長い場合と、腹痛や頭痛を訴えやすい児童において、重心動揺が大きくなる傾向がみられた。
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Research Products
(2 results)