2007 Fiscal Year Annual Research Report
子ども達の睡眠習慣の確立と心身の健康および学力等への影響
Project/Area Number |
18500569
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 University of Toyama, 人間発達科学部, 教授 (50143839)
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Keywords | 睡眠習慣 / 学力 / 日常生活 / 児童 / 全国学力調査 / 生活習慣 / テレビ・ゲーム時間 / 自律神経系機能 |
Research Abstract |
子ども達の睡眠・覚醒リズムの形成は心身の発達の指標ともいえる。そのリズムの乱れが子ども達の健康状態や学力およびQOLに及ぼす影響を明らかにするために、生活習慣と学力調査の結果を詳細に分析し、子ども達自身にも睡眠習慣の重要性を理解してもらえる教材を提案したいと考えている。とくに本年度の分析では、生活習慣の乱れは、学年進行とともに、通じ、疲れやすさ、頭痛、腹痛等の体調面に影響が顕著であることが判明した。同様に授業への集中度も学年が上がるとともに低下傾向が見られるが、とくに4年生以上で集中力低下を自覚し、心配事や不安、イライラ感も増し、少々の失敗でも気になる傾向が認められた。 このように小学生期6年間の生活習慣の変化は大きいが、1〜3年生よりも、4〜6年生で睡眠習慣が悪化しやすくなることも判明したので、小学校3,4年の時期に生活習慣の見直しや確認の機会を家庭や学校で設ける必要性を確信した。具体的には重心動揺において、就寝時刻が早い低学年と、起床時刻が早い児童の開・閉眼前後方向の軌跡長が長い傾向がみられ、とくに閉眼前後方向では、6時前起床で25%、5時半前起床で37.5%が20mm/sの最長軌跡長となった。軌跡長については、就寝時刻よりも起床時刻と有意な関連の認められた学年が多い結果となり、自律神経系の働きとの関連であることが推察できる。熟眠感についても、有る方が無いよりも開眼実効値面積が小さく、動揺が少ないという有意差が認められた。さらにTV視聴時間が少ないほど閉眼実効値面積が小さく、3時間以上になると動揺が有意に大きくなり、腹痛や頭痛が多い体調の悪い児童も閉眼前後方向の軌跡長が有意に長かった。さらに6年生について、重心動揺検査と2007年4月に実施された全国学力調査の結果を分析したところ、国語よりも算数で、とくに知識を問う問題よりも、考察の必要な活用問題の正答率と軌跡長に関連がみられ、さらに分析を進めている。
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