2006 Fiscal Year Annual Research Report
肌着素材によるヒトの皮脂腺活動変化と肌着に付着する皮脂成分との関係
Project/Area Number |
18500574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
今村 律子 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00176504)
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Keywords | 肌着 / 皮脂 / ワックスエステル / 水分蒸発量 |
Research Abstract |
ヒトの皮脂活性が、着用する肌着(パジャマ)素材によって異なることを明らかにする目的で、水分特性の異なる肌着(綿とポリエステル)を長期間着用した際に、背中から採取した皮脂を分析して実験を実施してきた結果、疎水性の肌着を着用していると背部皮脂のワックスエステルやトリグリセリドの分泌が抑制されることを明らかにした。どのようなメカニズムで前述の結果が得られたかを知りたいと思い、ヒトが分泌する皮脂と分泌した結果肌着に付着した皮脂の双方を測定することを試みようとした。 肌着の水分特性が関与していたという事実から、皮膚の水分蒸散量や肌着からの水分蒸発量も併せて測定できないかといくつかの水分計を用いて測定を試みたが、ヒト側の条件統一を行わないと基礎的なデータを得られないことがわかった。そこで、東北大名誉教授が開発に関わった水分率計を購入したが、現時点でも試行錯誤の状況である。 肌着からの皮脂の採取は、皮脂を汚れとして測定する方法を聞き取りや文献によって調査した。汚れとしての採取では、通常は布を裁断して別の製品に貼り付けるという手段を取る。しかし、裁断することによる繊維くずの発生と皮脂を分析するための布の最適サイズ、布の貼付時間を検討することに予定より時間がかかってしまった。さらに、実際の予備実験を実施する予定であったH18の秋がかなり暑熱環境であったため、実験を断念した。2年目は、皮膚の水分率の測定と肌着からの皮脂採取方法を確定し、本実験にかかれるようにしたい。
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