2008 Fiscal Year Annual Research Report
肌着素材によるヒトの皮脂腺活動変化と肌着に付着する皮脂成分との関係
Project/Area Number |
18500574
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
今村 律子 Wakayama University, 教育学部, 教授 (00176504)
|
Keywords | 肌着 / 皮脂 |
Research Abstract |
ヒトの皮脂活性が、着用する肌着(パジャマ)素材によって異なることを明らかにする目的で、水分特性の異なる肌着(綿とポリエステル)を長期間着用した際に、背中から採取した皮脂を分析して実験を実施してきた結果、疎水性の肌着を着用していると背部皮脂のワックスエステルやトリグリセリドの分泌が抑制されることを明らかにした。どのようなメカニズムで前述の結果が得られたかを知りたいと思い、ヒトが分泌する皮脂と分泌した結果肌着に付着した皮脂の双方を測定することを試みようとした。 供試肌着は、綿100%(A)、ポリエステル100%(B)の2種類とした。健康な男子大学生5名を研究協力者とし、2008年11月から3週間、全研究協力者に同一素材(綿100%)の肌着を着用するよう依頼し、研究協力者の着用条件を整えた。その後、(A)と(B)の肌着を連続3週間、計6週間にわたり、夜間着用するよう依頼した。肌着の着用順は、2名と3名で反対になるようにした。供試肌着を着用している間、1週間ごとに背部皮脂を有機溶媒(アセトン:ジエチルエーテル=1:1)によって採取した。採取した皮脂は、薄層クロマトグラフィー法を用い、皮脂由来成分である3種類(スクワレン、トリグリセリド、ワックスエステル)を中心に展開し、デンシトメータを用いて定量化した。同時に、研究協力者が着用した肌着の背中部分の皮脂も抽出し、同様の手法により皮脂の定量化を試み、ヒトが分泌する皮脂量とともに比較検討した。
|