2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500584
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
牛田 智 Mukogawa Women's University, 生活環境学部, 教授 (40176657)
|
Keywords | 藍 / インジゴ / インジルビン / インジカン / 生葉染め |
Research Abstract |
古くから藍染めに用いられてきた藍植物は、藍の色素であるインジゴの前駆体であるインジカンが含まれている。通常の藍染めは、インジカンから不溶性のインジゴを生成させて染料とし、これをアルカリ性下で還元して水溶性にして繊維内に侵入させたあと、空気酸化により元のインジゴに戻して綿や絹などを染色する。インジカンが溶解している藍の生葉のジュースに絹布を浸すと、インジカンの分解と酸化が起こり、インジゴが繊維内に生成して染色が可能であるが、この「生葉染め」と呼ばれる染色方法では、綿にはほとんど染まらない。このような生葉染めを行う際、条件によってはインジゴの異性体のインジルビンという紫色の色素が生成して、藍植物によって青ではなく紫を染めることができる。インジルビンの場合は、生葉によるインジゴ染色と異なり、綿が染まることがある。インジルビンも水に不溶であるが、微粒子状に分散している状態がインジゴとは異なり、繊維内に侵入しやすい性質を有していると考えられる。そこで、この方法による綿のインジルビン染色を試みた。 藍植物として、日本の藍であるタデアイは、乾燥させるとインジカンはすべてインジゴに変化してしまうが、インドアイは、乾燥してもインジカンが保持され、タデアイの生葉と同様の使い方ができるので、インドアイ粉末を用いて、液性、濃度(インドアイの使用量)、浸漬・酸化のタイミング、添加物の効果、温度などの条件を変えた染色を試みた。その結果、あまり濃い色ではないものの、綿布を薄紫色に染色できることができた。
|