2008 Fiscal Year Annual Research Report
中年後期における夫婦関係とパーソナル・ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
18500591
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長津 美代子 Gunma University, 教育学部, 教授 (20192239)
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Keywords | 中年期 / 夫婦関係 / パーソナル・ネットワーク / 親の介護 / 配偶者間介護 / エンプティ・ネスト / 下の世話 / 抵抗感 |
Research Abstract |
目的:平成20年度は以下のことを行った。(1)平成18年度に実施した計量調査の再分析を配偶者に対する下の世話への抵抗感を従属変数にして行い、それに関連する要函を見出した。(2)エンプティ・ネストめ夫婦関係は良好であることが計量分析で明らかになっている。エンプティ・ネストへ移行する・しないは何による影響を受けるのかを、ラザースフェルドの原因説阻図式(押しの要因、引きの要因、引き金要因、通路=付け要因)を用いて整理した。そのことによっで、エンプティ・ネスト移行の阻害要因や、夫婦関係がなぜ良好なのかが説明できる。(3)親の介護経験があるものの方が夫婦関係は良好であることが計量分析よめ明らかになっている。その理由を平成19年度調査の語りから探るとともに自由記述の質問調査を10名に対して実施した。 結果:次のことが明らかになった。(1)配偶者の下の世話への抵抗感には、配偶者に対する情緒的認識、子どものおむつ交換の経験、パーソナル・ネットワークなど溺関連している。情緒的認識はよい方が、親しいきょうだいや近所の人は多い方が、また、おしめ交換経験のある方が、配偶者の下の世話への抵抗感のない者が多い。 (2)エンプティ・ネヌトへ移行できない夫婦は、押しの要因と引きの要因がともに弱い。(3)介護経験後の夫婦関係は10ケース中9ケースガプラスの評価をしている。介護に伴うきょうだいの葛藤や介護の大変さについて妻の愚痴を聞いてくれたということが、どちらの親を介護している(した)かにかかわちず、夫婦関係評価に大きく影響している。
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