2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500592
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
重川 純子 Saitama University, 教育学部, 教授 (80302503)
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Keywords | 家計 / 住宅 / パネル調査 |
Research Abstract |
住宅の購入は生涯の中でも最も高価な買い物の1つで、長期間のローンを利用して購入することが一般的であり、購入後長期間にわたるローン返済が家計に影響を及ぼす。本研究の目的は、住宅購入が家計及び家族へ及ぼす影響を明らかにすることである。本年は、同一対象者の継続調査を用い住宅取得状況と住宅購入が家計へ及ぼす影響を分析した。消費生活に関するパネル調査((財)家計経済研究所)の14年間(1993年から2006年)の調査を用い、2006年調査まで回答が継続している調査対象者中、有配偶継続者、調査期間中に結婚した者1216人を観察対象として抽出した。世帯の住宅変化の類型を作成し、調査対象期間に住宅または敷地を購入した世帯の家計支出、貯蓄の変化を捉えた。結果は以下の通りである。有配偶継続者、結婚した者の世帯中、住宅または敷地を新規に購入した者は各々230、97世帯である。有配偶継続者の購入前後の貯蓄の変化では、世帯貯蓄、調査対象者本人(妻)貯蓄ともに約4割減少している。購入前後の家計支出の変化では、購入後ローン返済額が増加し、平均消費性向は73から58に低下している。生活費に比べ貯蓄の減少率は小さい。費目別消費では、食料、水光熱、被服、交際は変化率が小さく、教養娯楽は減少率が大きい。人別支出では、生活費、貯蓄ともに世帯共通、妻分の減少率が大きく、夫、子ども分は低減少率あるいは増加している。また、家計管理パターンでは、共働きの場合には夫妻の収入をあわせて管理する一体型が約10%ポイント増加しており、住宅ローン返済が家計の共同性を高めた可能性が示唆される。上記内容を、日本家政学会第60回大会にて報告(重川純子「住宅購入と家計」)予定である。
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Research Products
(3 results)