2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500593
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
倉持 清美 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (30313282)
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Keywords | 仲間入り / 幼児 / 幼稚園 / 中国 / 韓国 |
Research Abstract |
今年度は、日本・中国・韓国の都市部に限定して、聞き取り調査と仲間入り行動の観察を行った。聞き取り調査のための質問項目を検討し、中国語・韓国語に翻訳して実施した。中国では、上海市の公立幼稚園で一日の保育の様子を4歳児と5歳児について観察して、ビデオに記録した。特に自由遊び場面の様子を観察し、子ども達が自然に仲間との遊びを展開している様子をビデオで撮影した。そこでの子ども達のコミュニケーション、保育者の介入方法について文字化し、分析を進めている。更に、園長にインタビューを行い、現代の中国の幼稚園児事情と、仲間関係についての考え方について聞き取り調査を行った。また、仲間入りの設定場面を設け、その行動について記録を取った。これらのデータの結果を整理し、学会誌に投稿中である。保育者に実施した質問紙調査を整理し、仲間関係についての考え方についての論文は掲載された。日本の幼稚園については、継続的な観察を続けるとともに、保育者へのインタビュー調査を行っている。 にれらのデータから、現段階で示唆できることは、日本独特の表現である「いれて」は仲間との遊びをスムーズにしているが、それを言えたからといって、一緒に遊べるわけではないということだ。また、日本の保育者は、子ども達が仲間との葛藤の中でお互いに納得できるような解決を見出すまで援助するという姿勢を取るが、中国の保育者は解決を与えるような介入方法をとっていた。しかし、中国の幼児教育は現在過渡期であり、こうしたかかわり方も変化していく可能性が考えられる。今後は、設定した仲間入り場面についての分析も進めていく。また、韓国のデータとの比較も進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)