2006 Fiscal Year Annual Research Report
多動・衝動的傾向を示す幼児の保育の場における援助方法・システムの開発
Project/Area Number |
18500597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 理絵 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (60249282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 直子 愛知県立大学, 文学部, 教授 (30117783)
別府 悦子 中部学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60285195)
神田 英雄 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (40177762)
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Keywords | 多動 / 軽度発達障害 / 保育 / 援助方法 / 連携システム / 幼小連携 |
Research Abstract |
1.愛知県内の全幼稚園・保育所約1700園を対象に、軽度発達障害の幼児の在籍状況と支援方法・システムの現状、求められている支援に関する質問紙を作成し、調査を実施した。結果は集計中である。 2.幼稚園における、軽度発達障害(疑いを含む)の幼児への援助方法や小学校や他機関との連携について、文部科学省の調査研究を受けている園の資料収集・聞き取り調査を行った。諸機関のネットワークの中での巡回指導・相談の現状と課題、特別支援教育コーディネーターや加配担当者の役割と他の職員や外部との連携の仕方、「個人カルテ」や「個別指導計画」の活用方法と小学校への引き継ぐ際の課題、保護者との関係づくり等について考察した。(日本保育学会第60回大会自主シンポジウム「軽度発達障害児の幼児期から小学校への移行支援」2007.5予定) 3.多動・衝動的傾向を示す(軽度発達障害の疑いのある)幼児について、幼稚園、保育園等での観察及び保育実践について保育者からの聞き取り調査を行った。事例を収集・検討中である。 4.スウェーデン、フィンランドにおける発達障害の幼児の支援システムについて、実地視察調査を行った。両国の各保育園には障害児を援助するスタッフが配置されており、障害が診断されていなくても、必要な子どもにはアシスタントがついている。また、特別指導のための教員が巡回し、一定の時間小グループでの遊びを指導している。フィンランドでは保育・幼児教育におけるナショナルカリキュラムのガイドラインが作られ、スペシャルニーズを持つ子どもの保育を、医療、教育、保育の連携によって推進することも課題となっている。乳幼児健診はこまめに行われ、就学までチェックとフォローが継続的に行われ、小学校への移行もスムーズに行われるように配慮されている。このような充実した支援体制が整えられていることが参考になった。
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