2008 Fiscal Year Annual Research Report
多動・衝動的傾向を示す幼児の保育の場における援助方法・システムの開発
Project/Area Number |
18500597
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 理絵 Aichi Prefectural University, 文学部, 准教授 (60249282)
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Keywords | 巡回指導・巡回訪問 / 軽度発達障害 / 多動 / 保育 / 援助方法 / 連携システム / 幼小連携 |
Research Abstract |
1.愛知県内の全幼稚園・保育所を対象として平成18年度に実施した質問紙調査の結果をさらに分析した。認定されている障害児が在籍している園のうち、加配保育者等の補助を受けている園はとくに私立幼稚園で少なかったが、障害児の在籍の有無に関係なく、加配保育者や障害児対応の補助金をとても必要とする園が多かった。巡回指導・相談があった園は、障害児に対する個別の指導計画を作成している園、園内研修をしている園、他機関との連携がある園、特別支援教育コーディネーターの役割をする保育者を明確にしている園の比率が、巡回指導・相談がなかった園に比べて高かった。また、認定されている障害児がいない園でも、巡回指導・相談のニーズは高かった。巡回指導・相談が園内研修や指導計画づくり、園外との連携などを推進する役割を果たしていることが明らかになった。幼稚園・保育所における障害児の受け入れや援助体制に関する調査はあまり行われておらず、貴重なデータだといえる。 2.広汎性発達障害傾向をもつ子どもの、小学校移行期における生活状況や子育て不安に関する親への調査結果の分析から、友達関係に関する不安・心配が大きく、先生に子どものことを理解してほしいという要望が高いこと、地域でのつながりがあることによって、親や家庭が支えられているケースがあることが明らかになった。移行期の支援方法の重要な視点について示唆をえた。 3.幼稚園における、軽度発達障害の疑いのある幼児の観察・聞き取りを行い、援助方法について、考察した。諸外国の幼稚園におけるADHDの子どもの支援方法やインクルーシブ教育に関する資料を収集し、援助方法・システムについて検討中である。
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Research Products
(4 results)