2007 Fiscal Year Annual Research Report
とろみ特性を有するカリン種子分泌多糖の構造と機能性に関する研究
Project/Area Number |
18500602
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中田 忍 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (00164210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 万里子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (00131516)
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Keywords | 食品 / 粘質多糖 / 糖鎖 / 高分子構造・物性 / 植物 |
Research Abstract |
カリン(Chaenomeles sinensis)の種子部分は冷水に浸漬すると、きわめて高粘性の透明性、かつなめらかな溶液となる。この粘性物質の特異な物性と構造の相関性を明らかにするために、検討を行なっい、昨年度は、粘質物はxyloglucanと高含量のウロン酸(GlcUA: 23%)を含む酸性多糖(glucurono-arabinoxylan)の異なった分子種から構成され、セルラーゼを作用させると、粘性は反応前の40%以下に減じること、反応液をエチルアルコールで沈殿、透析・凍結乾燥して得られるglucurono-arabinoxylan画分にセルロースを加えても粘性は変化しないが、タマリンドのキシログルカンを加えた場合には粘性が増加することからカリン種子の分泌粘質多糖の粘性発現には異種の多糖の分子鎖間の強い水素結合を含めた分子会合が必須であることを示した。構成糖からこの水溶性多糖は摂取された場合、食物繊維としての効果が期待できる。また、この多糖の粘度の温度やpH変化による変動および保湿性の特性を有することから、食品や化粧水などの素材への応用が期待できる。今年度、セルロースやキシログルカン以外の糖鎖の添加により、粘性の変化を確認しており、目的に応じた粘性のコントロールを行なえる可能性が示唆された。
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