2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500605
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
貝沼 やす子 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 教授 (90071000)
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Keywords | 緑茶 / 米飯 / 茶浸出液 / 茶葉の粒径 / 静置時間 / 茶種 / 茶葉量 / 緑色 |
Research Abstract |
茶飯の着色状況と茶粉末の粒度との関係について検討したところ,ミルサーで粉砕した茶葉を使用し,撹拌後15分あるいは3G分静置した茶浸出絞で炊飯するといずれもきれいな茶飯を炊飯することができた。ミルサーの茶粉末より細かく粉砕すると,大きい粒径の茶葉は30〜60分で沈殿したが,多くを占める小さい粒径の茶葉を沈めるには4〜8時間の静置が必要であり,茶浸出液の調製に長時間が必要となった。異なる茶葉量と粒径の茶浸出液を調製して炊飯した茶飯の宮能検査結果から,浸出液中の茶葉量が40〜50%の場合,平均粒径が9〜13μm,あるいは4〜5μmの時に緑色や茶の味に対する官能評価点が高く,この条件に茶浸出液を調製すれば評価の高い茶飯になることがわかった。緑茶茶飯の着色状態は茶浸出液中の茶葉量と粒径により決定されることが示された。 茶葉の種類による違いについても検討を行ったが,上級煎茶,普通煎茶,終盤茶などの低価格の茶葉を試料として茶浸出液を調製し,比較を行った。撹拌後30分静置した茶浸出液中の茶葉の粒度分布状態,顕微鏡観察,茶葉量には差が見られず,茶飯の官能検査による総合評価にも差が見られず,どの茶種でも同程度の茶飯ができることがわかった。 現在の茶粉末調製技術では10μm前後に茶葉を粉砕することは難しく,茶浸出液を撹拌後静置することでしかこの粒径の茶葉を得ることはできない。この時沈ませた,粒径の大きい茶葉の有効活用法を検討した。粒径が大きいためぶちぶち感が強く,ゼリーなどにはむかなかったが,クッキーやクレープ,ロールケーキなどの焼き菓子,ういろうや蒸しパンなどの蒸し菓子には問題なく使え,茶の緑色と味を生かした形で調理できた。
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