2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500607
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大越 ひろ Japan Women's University, 家政学部, 教授 (80060698)
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Keywords | 咀嚼 / 高齢者 / 食べ易さ / テクスチャー / 筋活動量 |
Research Abstract |
高齢者は義歯などを装着している比率が高く、口腔機能も低下しているので、繊(線)維の多い食肉や、ゴボウなどの根菜類は食べにくい食物といえる。そのため、高齢者施設では繊(線)維が多く、しかも硬い食物に対しては、誤嚥の危険性が高い「きざみ食」にする場合が多い。そこで、咀嚼しやすく、しかも誤嚥の誘因となる口中残渣を減少させるような調理上の工夫を提案することが必要といえる。18年度は食肉の線維をミンチ状にして、ハンバーグ様の食肉加工品を調製し、テクスチャー測定、若年者を対象とした食べ易さの官能評価および咀嚼筋活動量の測定を行った。19年度は、高齢者向けに酵素を用いて調製したゴボウについて、破断試験を行い、さらに、若年者による食べ易さの官能評価および咀嚼筋活動量の測定を行った。そこで、20年度は食肉加工品の食べ易さに関する官能評価および咀嚼筋活動量の測定を若年者および高齢者を対象として行い、比較検討した。 食塩無添加のミンチ肉、食塩を添加したミンチ肉、酵豆粉を添加したミンチ肉を調製し、3種の食肉加工品についてテクスチャー測定、さらには、若年者と高齢者を対象とした官能評価および咀嚼筋活動量の測定を行った。その結果、テクスチャー特性については3種の試料間に有意な差は認められなかった。しかし、官能評価では、若年者は食塩および酵豆粉添加食肉加工品を好み、唾液分泌量が増加したが、高齢者では3試料間の嗜好および唾液分泌量に対して有意な差は認められなかった。また、咀嚼筋活動の測定結果からも、若年者に較べ、高齢者は咀嚼回数、咀嚼時間が増加し、1回あたりの筋活動量の減少傾向が見られた。
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Research Products
(1 results)