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2007 Fiscal Year Annual Research Report

室町時代物語にみる食文化の実際-現代の食習慣・食文化の淵源

Research Project

Project/Area Number 18500611
Research InstitutionTezukayama University

Principal Investigator

小林 美和  Tezukayama University, 現代生活学部, 教授 (70195824)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 富安 郁子  帝塚山大学, 現代生活学部, 教授 (10123671)
Keywords食文化 / 生活文化史
Research Abstract

研究成果の概要(平成19年度)
本研究は、近代にまたがる日本の伝統的食文化の基点と位置づけられる室町期の食文化を、この時期の制作された室町時代物語を主たる対象として、多面的に追究することを目的としている。
本年度は、『鼠の草紙絵巻』を分析対象として、当該作品の室町時代食文化資料としての価値について研究を進めた。昨年度は、諸種の記録類を補助資料として、『鼠の草紙絵巻』に描かれた調理場面の構成から窺われる、当時の食生活の特徴を明らかにすることに努めた。今年度は、それをさらに一歩進めて、そこに登場する個々の料理と食材について、種々の室町期及び江戸期資料を参観しながら考察した。
当該絵巻に横溢する鼠の群れは、室町時代における消費経済の発展、豊かな食料事情の象徴的表現ということができる。貨幣経済の急速な普及が、京都に代表される都市生活に富をもたらしたが、同時に、その副産物として鼠の跳梁という事態を招いたことはみやすい道理であり、その意味で鼠は富の象徴であり、鼠を福神である大黒天の使いであるとするこの時代の民間信仰の流布も故ないことではない。研究対象である『鼠の草紙絵巻』が、こうした社会的背景のもとに制作されたという点に留意しつつ、今回は次の項目を重点的に追究した。
1.『鼠の草子』における汁物料理
2.『鼠の草子』にみる包丁師
3.室町期における食材としての芥子の使用法
4.室町時代の海老料理
以上の考察を通して、ここに描かれた料理・食材や包丁師の絵画から、本作品が将軍御成料理等に代表される、室町期の上流武士階級の宴会場面を、相当程度リアルに再現したものであることが、より明確になったと考える。また、それぞれ成立年代の異なる『鼠の草紙絵巻』の異本間にみられる差異についても、料理文化の変遷という視点から言及した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 室町時代食文化資料としての『鼠の草子絵巻』(2)-料理と食材を中心として2008

    • Author(s)
      小林 美和・富安 郁子
    • Journal Title

      帝塚山大学現代生活学部紀要 4

      Pages: 11-22

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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