2006 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルゲン低減化レシピの開発と「食育」への応用
Project/Area Number |
18500616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
高橋 享子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50175428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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Keywords | 食物アレルゲン / 低減化 / 減感作治療 / 食育 / 魚 / 小麦 / レシピ |
Research Abstract |
研究目的に沿って、アレルギー食材(平成18年度は魚と小麦種子、小麦粉)中のアレルゲン低減化を目的として、魚、小麦種子、小麦粉のアレルゲンの検索及び低減化を検討した。 1.[魚] (1)サケ、マイワシ、サンマ、カレイ、マダラを試料として塩可溶性画分(I)、塩不溶性画分(II)からアルカリ可溶性画分(III)と酸可溶性画分(IV)に分離した。 (2)各画分試料のアレルゲン性は、パルプアルブミン抗体によるIgG反応と魚アレルギー患者血清によるIgE反応の陽性反応から判断した。その結果、マダラのアルカリ可溶性画分(III)のみに強い陽性反応が認められた。 (3)マダラIII画分について、pH・熱処理を行い、アレルゲン低減化について検討した。 pH2〜pH10の範囲において加熱(沸騰)0分、10分、60分の処理を行った結果、pH2〜pH6の範囲において、加熱60分で40〜50%の低下が認められた。 2.[小麦種子] (1)小麦種子(農林61号)を22℃、照明24〜48時間で1mm発芽させ、発芽、未発芽種子から塩可溶性画分を分離し、ペルオキシダーゼ抗体によるIgG反応、小麦アレルギー患者によるIgE反応からアレルゲン低減化を確忍した。 (2)(1)の結果、発芽処理により種子内の酵素が働き、新規の低分子陽性タンパク質が認められた。従って、発芽処理はアレルゲンの低減化には効果的でないことが明らかとなった。 3.[小麦粉] (1)発芽小麦粉(長野産)および未発芽小麦粉(長野産)についても、上記種子と同様の試料調製を行った。また、発芽・未発芽の小麦粉塩可溶性画分のアレルゲン性についても2の方法に準じて測定した。 (2)3(1)の結果、発芽小麦粉塩可溶性画分は未発芽小麦粉塩可溶性画分のアレルゲン性より高く、発芽処理による低減化は期待できなかった。 (3)全粒小麦粉の低減化として高温加圧処理(家庭用圧力鍋)10分処理によりアレルゲン性が50%低下した。 このことより家庭用圧力鍋を用いた高温加圧処理はアレルゲン低減化に効果的であった。
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Research Products
(1 results)