2007 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルゲン低減化レシピの開発と「食育」への応用
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18500616
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
高橋 享子 Mukogawa Women's University, 生活環境学部, 教授 (50175428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 真順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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Keywords | 食物アレルゲン / 卵白アレルゲン / 低減化 / 小麦粉アレルゲン / スポンジケーキ / IgE結合 / 卵白メレンゲ / 食育 |
Research Abstract |
食物アレルゲンの低減化は、患者および家族にとっては、食生活QOL改善の因子として最も重要な問題である。本研究は、平成18年度からアレルゲン食品の高温高圧処理による低減化の検討を行っている。平成19年度は、低減化卵白の用途拡大を目的として「卵白メレンゲ」の低減化を検討した。その結果、120℃、2気圧処理の60%卵白メレンゲのアレルゲン性は、未処理に比較して1/7〜1/60に低下した。さらに、卵白メレンゲの気泡性や熱凝固性を反映した膨化について検討した。低減化60%メレンゲを用いたスポンジ生地は、生卵白メレンゲを用いたスポンジ生地に比較して膨化は約1/3に低下した。しかし、卵白のアレルゲン性については、生卵白メレンゲのスポンジ生地に比較して1/8に低下した。さらに、卵白アレルギー患者血清によるIgE結合性については、アレルギー値の高い患者血清で1/12〜1/30に低下し、アレルギー値が低い患者血清においても1/4〜1/30に結合性が低下した。このことより、低減化60%メレンゲを用いたスポンジ生地は、生卵白メレンゲによるスポンジ生地に比較してスポンジ生地の膨化は低いが、アレルゲン性については高い低減化が確認された。従って、卵白アレルゲン低減化メレンゲを用いたスポンジ生地でも、材料や調理法の工夫により、気泡性を安定化させ、弾力性のある生地が調製されるものと期待できた。平成20年度は、膨化の優れたスポンジ生地の調製を検討し、小麦アレルゲンの低減化についても検討する。さらに、低アレルゲン化・スポンジ生地を用いた食育スクールを開催する予定である。
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Research Products
(1 results)