2008 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルゲン低減化レシピの開発と「食育」への応用
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18500616
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
高橋 享子 Mukogawa Women's University, 生活環境学部, 教授 (50175428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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Keywords | 食物アレルギー / アレルゲン低減化 / 高温・高圧処理 / スポンジケーキ / メレンゲ |
Research Abstract |
[目的]食物アレルゲンの低減化は、食物アレルギー患者にとって大変重要で、食生活の全てに影響を持つ問題である。本研究の目的は、アレルギー食材を様々な調理法を用いて低アレルゲン化を検討し、さらにアレルゲン量を厚生労働省推奨測定法に基づいて明らかにし、低アレルゲン化レシピを小児科外来における患者保護者やアレルギー教室または管理栄養士を対象とした「食物アレルギーに対する食生活の個別指導の食育」として低減化レシピの実践活動を実施することである。[計画]目的に沿って、低減化方法(120度、2気圧)の検討を行い、さらに卵料理の応用性を高める為に低減化メレンゲ卵白の作製を検討した。次に、新たに開発を行った低減化メレンゲを用いて、スポンジケーキ作製の検討を行った。[成果]次の(1)〜(3)の成果が得られた。(1)低減化法として120℃、2気圧、1分条件が最も低減化の効果が高かった。(2)メレンゲ卵白については、100%、80%、60%卵白溶液各々でメレンゲ形成を行った後に2気圧、120℃、1分処理を行い、半凝固卵白になったメレンゲに対して再度メレンゲを作製した。その結果、再メレンゲ形成は60%卵白が最も効果的であった。(3)60%卵白再メレンゲを用いて、スポンジケーキ作成の検討を行った。その結果、生卵白メレンゲとほぼ同様の膨化が認められた。また、アレルゲン・オボムコイド量は、生卵白メレンゲを用いたスポンジケーキに比較して22分の1の低下を示した。[意義及び重要性]上記(1)〜(3)に示した成果は、全ての食品や加工品に注意し過剰に精神的緊張を維持してきた卵アレルギー患者や家族の食生活QOLの向上に貢献できると考えられた。また、本低減化卵白は、数多くの卵料理に幅広く用いることができ、加工食品等にも応用されるものと考えられた。従って、本研究により開発された低減化卵白は極めて重要性が高く、今後、アレルギー患者の要望に対応できるものと期待された。
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Research Products
(6 results)