2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
矢野 友啓 独立行政法人国立健康・栄養研究所, プロジェクトリーダー (50239828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和彦 独立行政法人国立健康・栄養研究所, プログラムリーダー (60158178)
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Keywords | 大豆由来成分 / BBI / 癌予防食品 / コネキシン43 |
Research Abstract |
本研究では、大豆製品加工の途中で発生する未利用水溶性画分に多く含まれるprotease inhibitorの一種であるBowman-Birk protease inhibitor(BBI)を主成分とした食素材をベースにした癌予防食品の開発を目指して、BBIが主成分として含まれる画分を粗精製し、その試料の機能性{癌抑制遺伝子コネキシン(Cx43)遺伝子誘導能)と癌抑制機能}および安全性をin vitroおよびin vivoで評価すると同時に、癌予防食品成分としてBBIを摂取する最適なレベルを動物モデルを用いて明らかにする。 ヒト癌細胞(Cx43が癌抑制遺伝子として作用している細胞株)培養系を用いて、BBIのCx43遺伝子誘導能と癌細胞増殖抑制作用を検討したところ、BBIは用量依存的に癌細胞の増殖を抑制すると同時に、その癌細胞増殖抑制がCx43誘導と関連していた。また、BBIの作用はmRNAの誘導とCx43蛋白の安定化の両方が寄与しており、特に、BBIの持つprotease inhibitor活性(chymotrypsin-like inhibitor活性)によりCx43の主な分解系であるproteasome中のchymotrypsin活性を顕著に阻害することにより、Cx43を安定化していることが認められた。さらに、BBIのCx43誘導作用や癌細胞増殖抑制効果が認められたBBIの濃度では、正常細胞への毒性が認められず、かつ日常食品成分として摂取可能な範囲にあることが推測された。今後、このin vitroのデーターをもとに、粗BBIの摂取量を決定し、マウスモデル系を用いて粗BBIの癌予防食品成分としての有効性および安全性を評価する。
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