2007 Fiscal Year Annual Research Report
持久力増大のための高脂肪食摂取が血中アディポサイトカインレベルに及ぼす影響
Project/Area Number |
18500624
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
中谷 昭 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (70116284)
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Keywords | 高脂肪食 / ラット / アディポネクチン / TNF-α / PAI-1 / レプチン / トレーニング / 加齢 |
Research Abstract |
【目的】長期の高脂肪食摂取は骨格筋の酸化系酵素活性を増大し、持久力を高めることが知られているが、肥満や高脂血症を発現し、必ずしもスポーツ選手にとって好ましい食事法とは言えない。ところで、近年脂肪組織から分泌されるアディポサイトカインの存在とその働きが明らかにされてきた。本研究においては、長期の高脂肪食摂取および持久的トレーニングが血中アディポサイトカインレベルに及ぼす影響について検討するが、19年度は、週齢の異なるラットを対象に、高脂肪食摂取及び持久的トレーニングが血中アディポサイトカインレベルに及ぼす影響について検討した。 【方法】実験動物として5週齢(若齢群)及び50週齢(老齢群)のWistar系雄ラットを用いた。これらを普通食群と高脂肪食群に分け、さらにそれぞれの群を非トレーニング群及びトレーニング群に分けた。トレーニング群に対しては5週間の水泳運動を負荷した。 【結果及び考察】 体重は若齢群より老齢群で有意に高く、各群とも持久的トレーニングにより低下した。内臓脂肪の一つである副睾丸脂肪組織重量は老齢群で大きく、高脂肪食摂取により増加したが、持久的トレーニングにより低下した。血中アディポネクチンレベルは若齢群より老齢群で低く、持久的トレーニングによりいずれの群でも増加した。しかし、老齢群では高脂肪食摂取による影響は見られなかった。血中レプチンレベルは若齢群より老齢群で高く、加齢にともなう変化が見られたが、いずれの群も高脂肪食摂取で増加し、持久的トレーニングにより低下した。 以上のことより、血中アディポサイトカインレベルは加齢に伴う変化が見られ、高脂肪食摂取により望ましくない方向に変化し、持久的トレーニングはそれを改善することが分かった。
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