2007 Fiscal Year Annual Research Report
前糖尿病期の病態に対応した食行動変容プログラム開発
Project/Area Number |
18500628
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
乃木 章子 Yamaguchi Prefectural University, 看護栄養学部, 准教授 (90312305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 邦憲 島根大学, 医学部, 教授 (10108384)
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Keywords | 前糖尿病期 / ブドウ糖負荷試験(OGTT) / インスリン抵抗性 / 食生活 / 食後高血糖(IGT) |
Research Abstract |
前糖尿病期の病態に対応した食行動・身体活動変容プログラムの開発を目的に、出雲市の壮年75名(男28人、女47人)を対象に、教育による3カ月間の介入研究を行った。生活習慣では、摂取熱量の24%減少および消費熱量の8%増加を認め、その結果、体重は3.0kg有意に減少した。75g経ロブドウ糖負荷試験(OGTT)を用いた前糖尿病期の判別では、介入前正常耐糖能(NGT)33名、空腹時高血糖(IFG)4名、食後高血糖(IGT)13名、IFG+IGT 1名、糖尿病型(T2DM)9名であったが、介入後はNGT 34名、IFG 8名、IGT 7名、IFG+IGT 4名、T2DM 7名と有意に改善した。HbAlcは5.5%から5.3%に、インスリン抵抗性を示すHOMA-IRは1.2から0.8に、インスリン基礎分泌能を示すHOMA-βは42.3%から26.3%に、それぞれ有意に低下した。 プログラム前のIGT群では、糖負荷120分後の血糖値は162mg/dlから144mg/dlに11%低下し、30分後のインスリン値は29.5μU/mlから52.4μU/mlに有意に増加し、インスリンの初期分泌の改善を認めた。T2DM群では、HOMA-IRは1.7とインスリン抵抗性を認めていたが、介入後は1.0に有意に低下し、インスリン抵抗性が改善されていた。空腹時インスリンは5.1μU/mlから2.6μU/mlに、糖負荷後30分は16.1μU/mlから21.9μU/mlに有意に増加し、高インスリン血症の改善および初期分泌の改善を認め、糖負荷後60分、120分後の血糖も有意に低下した。 空腹時血糖の測定では発見し得ない耐糖能異常を、OGTTによって早期に発見し、食習慣および身体活動習慣の変容を促進し肥満を改善することで、糖尿病への進行を抑制できることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)