2006 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスが摂食行動に及ぼす効果に関する行動学的および内分泌学的研究
Project/Area Number |
18500630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
木本 万里 日本女子大学, 家政学部, 講師 (60101565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 一雄 長崎大学, 大学院医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80134708)
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Keywords | 摂食行動 / ストレス / 内分泌 / 重力 / 性差 / 体重 / 金網拘束 / ラット |
Research Abstract |
ウィスター系ラットを用い、ストレス負荷を胎児期(妊娠14日目-出産前日まで母体に+0.5または+1.0Gの重力負荷あるいは金網拘束)と幼若期(前期:1-14日齢、あるいは後期:15-28日齢に+1.0または+2.0G)で行った。ストレス負荷は1日1回10分間とし、対照群として無負荷を設けた。食行動変化を餌摂取量、体重当たりの餌摂取量、体重変化で解析した。終了時の血中コルチコステロン、レプチン、ソマトスタチン、コレシストキニン、グレリンの内分泌物質値を測定した。 胎児期:雄ではストレス負荷による影響は摂食期間(22-65日齢)の餌摂取量、体重当たりの餌摂取量にはなかった。体重増加の成長曲線でストレス負荷群が有意に異なり、特に金網拘束された母体の仔は離乳期から成体期前まで体重が減少した。重力負荷群のソマトスタチン値が有意に低く、コレシストキニン値は+0.5G群が有意に低かった。雌では重力負荷の影響は餌摂取量にはなかったが、体重当たりの餌摂取量は+1.0G群、拘束群が有意に異なった。成長曲線は重力負荷群が有意に増加し、特に+1.0G負荷を受けた母体の仔は成体期以降で他群より増加した。ストレス負荷群は飼料効率が有意に高く、特に+1.0G群が離乳直後の2週間で高値となった。内分泌物質値では差はなかった。 幼若期:雄では重力負荷の影響は摂食期間(23-79日齢)の餌摂取量、体重当たりの餌摂取量にはなかった。体重当たりの餌摂取量は前期重力負荷群が対照群、後期重力負荷群に比べ有意に高かった。成長曲線、飼料効率、内分泌物質値では差はなかった。雌では差はなかった。 以上のことより重力曝露、金網拘束をされた親から生まれた仔の成長曲線はストレスを受けなかった親の仔のそれと有意に異なり、特に親が+1.0Gの重力に曝露された雌の仔は成体期以降に体重が増大し、それは離乳直後の飼料効率が高くなったことに起因すると推察される。
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