2007 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスが摂食行動に及ぼす効果に関する行動学的および内分泌学的研究
Project/Area Number |
18500630
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
木本 万里 Japan Women's University, 家政学部, 准教授 (60101565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 一雄 長崎大学, 大学院・医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80134708)
|
Keywords | 重力 / ストレス / 飼料摂取 / 飼料効率 / 精巣 / 卵巣 / コルチコステロン / レプチン |
Research Abstract |
ラットを用い,重力ストレスの効果に関して行動学的手法により摂食行動を,内分泌学的手法によりコルチコステロンとレプチン量の変動を調べた。 重力の強弱:成体期雄(39-69日齢)において+0.6,+1.0,+1.4G負荷により重力強度に依存した体重加の有意な減少が見られた。体重当たりの餌摂取量は+1.0,+1.4G負荷で有意に減少した。飼料効率も重力曝露群で有意に低下した。実験終了時のコルチコステロン値は重力負荷では有意に高かった。すなわち,重力強度は体重増加,体重当たりの飼料摂取量に反映することが示唆された。 性差:53日齢の雄雌を用い1):精巣摘出,2):卵巣摘出を施し,対照にintactを用いた。30日間(63-92日齢)+1.0G負荷を行った。1)は対照に比べ摘出直後より体重が有意に減少し,終了時のその差は拡大した。G負荷により対照,摘出群ともに有意な体重増加抑制となったが,摘出群の方が早期の減少となった。体重あたりの餌摂取量の有意な低下がG負荷により見られたが,その有意頻度は摘出群で倍であった。飼料効率はG負荷により低下したが有意差はなかった。実験終了時のコルチコステロン値は対照,摘出群共にG負荷では有意に高値であったが,レプチンには差はなかった。2)は摘出14日目から摘出群は対照群に比べ体重が有意に増大し,終了時のその差は雄より拡大した。G負荷による体重増加抑制は対照群では見られず,摘出群では雄と同時期から有意な抑制となった。体重あたりの餌摂取量は対照群に比べ摘出郡は摘出直後に有意に減少したが,摘出12日から21日迄有意に増大した。飼料効率では摘出群は対照群に比べ摘出11日から20日迄の10日間で有意に増大した。内分泌物質値には差はなかった。 以上のことからストレス受容において性ホルモンはストレス抵抗的に働くが,特に女性ホルモンはストレス抵抗性を高めていることが判明した。
|
-
-
-
[Book] 新解剖生理学2007
Author(s)
戸田 一雄、木本 万里
Total Pages
420
Publisher
ブレーン出版
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より