2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の自立支援・認知症緩和をめざす療法的料理活動プログラムの開発
Project/Area Number |
18500645
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
湯川 夏子 Kyoto University of Education, 教育学部, 准教授 (40259510)
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Keywords | 認知症 / 医療・福祉 / グループホーム / 料理 / 高齢者 / 料理療法 / 調理 / アクティビティ |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、「料理療法」の確立である。これは、料理活動を介して心身の障害の機能回復・症状の改善や情緒の安定、豊かな人間関係の構築と生活の質(QOL)の向上を期待するものである。本研究では高齢者を対象として、「自立支援」および「認知症緩和」に有効な「料理療法」の方法論の開発をめざしている。 今回の申請期間中においては、最終年度としてこれまでの成果のまとめと、認知症高齢者グループホームにおける料理活動に関する実態調査を行った。調査は、全国から無作為抽出した1155施設を対象に、郵送法による調査を行った。有効回収366票、有効回収率は31.7%であった。調査の結果、入居者が参加する料理活動の頻度は、3食のいずれかで「ほぼ毎日おこなう」施設が約半数を占めた。料理活動に協力的な人は「主婦暦の長い人」「世話好きな人」「役にたつことに喜びを感じる人」という認識が高かった。料理活動の効果については、9割以上の施設が「役割感の向上」と回答しており、さらに「自身の回復」「手先のリハビリ」に有効と認識されていた。調理操作では、「包丁の使用」が7割の施設が実施しており、「テーブル拭き」に次いで実施頻度が高かった。以上のように日常的に料理活動を行っている施設では、料理活動の様々な効果を認識していることが明らかになった。実施している料理の成功例や失敗例、料理活動に関する悩みなどの実態もあわせて調査した。今後本研究成果をもとに、料理活動経験の少ない施設に対して、料理活動を実施するための有効なノウハウをホームページやパンフレットなどで広く提供することが課題である。さらに研究成果を積み重ね、「料理療法」の有効な方法論を開発していきたい。
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Research Products
(3 results)