2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学的知識の活用能力を高めるオーセンティックタスク開発の循環型システムの構築
Project/Area Number |
18500652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70214327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 実 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30125166)
近藤 一史 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (40178421)
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Keywords | 科学知識 / オーセンティックタスク / オーセンティックアセスメント |
Research Abstract |
本研究は、理科授業において、学習結果だけでなくその過程をもみとるオーセンティックタスクを通した新たな評価法を、Webデータベースの作製を通して体系化することを目的としている。 従来行われてきた評価の問題点は、1)子どもの内面を把握することが困難である、2)結果主義の絶対評価である、3)教授と評価が一体化されていない、4)教師の価値観が評価に大きな影響を及ぼしている、ことなどにある。近年、これらの問題点を解決するために、多様な視点や価値に基づく評価が求められている。特に、認知、情意、社会文化などの複合的な視点から子どもの「真の姿」を評価するオーセンティックアセスメントの重要性が叫ばれているが、評価に使用する課題(オーセンティックタスク)の作製の難しさが、その実践的活用を妨げている。 そこで、本年度は試作的なオーセンティックタスクである「体の働き」に関するタスクや「こおろぎの飼育」に関するタスクに改良を重ね、中学校と小学校で実践を試みた。これらのタスクは現実世界の文脈に沿った課題であり、児童・生徒は従来型の評価問題や設問と回答の仕方が大きく異なるため、初めは戸惑っていた。繰り返し行うことによって、彼らは適切な回答ができるようになったが、オーセンティックタスクを用いる際には、繰り返しの試行が必要であることが確認できた。 一方、Webシステムに関しては、プロタイプ6種類を作製した。現在、研究分担者や研究協力者の実践家とインターネット上で議論しながら、実践家が扱いやすいWebデータベースの改良作業を行っている。本研究では、インターネット上での議論を通して、研究者と多くの実践家がWebデータベースのシステムのあり方について意見を出し合い、情報を共有しながら協同的に作業が進行している。
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