Research Abstract |
本研究では,理科における子どもの学びをより多様な視点から評価するために,学びの結果ばかりではなく,学びの過程もみとることができる「オーセンティックタスク」を,小中学校理科の各単元において開発し,開発したタスクをWebデータベースとして体系化することを目的としている。 従来,一般に行われてきた評価は,結果主義を反映して,最終的な答えを重視していたが,近年,評価観は結果重視の評価から過程重視の評価へと移行している。しかし,従来のようなテストでは,子どもの学びの過程を十分にみとることができない。そこで,本研究では,子どもの思考過程や問題解決のプロセスに力点をおいたオーセンティックタスクを開発し,実践者へ還元していく。 本年度は,オーセンティックタスクのWebデータベースを試作し,運用した。具体的には,研究分担者の中で公開し,そこでのフィードバックからオーセンティックタスクの精緻化を図ることができた。特に,小学校理科の気象の単元におけるオーセンティックタスクを,協力校とのWeb上での討論をもとに開発し,小学校5年を対象に実施した。この成果は日本理科教育学会関東支部大会で発表した。今回のオーセンティックタスクの開発では,自然科学の専門家を交えて,より専門的で高度かっ実践的な課題の構築までは至らなかったので,次年度はこの点を意識した課題開発を目指す。また,オーセンティックタスクの評価基準の体系化に関しては,Webデータシステムの中で実践者へと還元する。
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