Research Abstract |
本年度はドイツの環境教育について,調査・研究を行った。ドイツの環境教育に関する動向では,まずBUND青年部(BUNDjugehd)の活動が注目される。ドイッは連邦制をとっているため,教育行政基本的に州単位で行われる。そのため本申請者の知る限り,ドイツ連邦単位での統一的な環境数育プログラムというものはないように思われる。もちろんドイツにも連郊環境省があり,連邦単位での環境政策・行政にあたっているが,同省が直接,教育行政に関写することはない,しかしドイツには,高い専門知識と広範な活動により,ドイツ国内外の環境政策にも大きな影響を与えているドイツ最大の環境保護団体BUND(Bund fur Natur-uhd UmweitschutzDeutschland)があって,環境教育に関しては,25歳以下の会員によって構成されるBUND青年部の活動がよく知られている。またドイツの環境教育としては,各地の学校で行われている省エネ・プロジェクトも注目される。これは一般に,各学校単位で独白に行われるもので,'内容も様タであるが,多くの場合,次のような仕方で活動が展開される。まず,生徒たちは自分たちの学校における電力使用や永使用の実態を把握する。次に,その実態に合わせて省エネ対策を検討し,実行計画を作成する。そしてこの次のプロセスが極めてドイツ的であるとも言えるが,計画を実施するにあたって,各学校の管理母体である行政当局と交渉し,計画実施に必要な費用を要求すると共に,省エネ効果によっそもたらされる利益の配分契約を行う。こうした事例からも分かるように,ドイツで行われている環壌教育は,一般に,エネルギー問題やゴミ問題などの社会的環境問題に向けられたものが多い。もちろん,自然環境の保護や保全に向けられだ活動も見受けられるが,筆者の調べた限りでは,社会的環境問題に対する意識の方がはるかに強いように見受けられた。
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