2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較に基づく日本型環境教育の理念的モデルに関する研究
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18500656
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
柴崎 文一 Meiji University, 政治経済学部, 教授 (90260124)
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Keywords | 環境教育 / 環境思想 / 日本野鳥の会 / オーデュポン協会 / NABU |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究では十分に取り扱うことができなかった点について、改めて研究を行った。とりわけ日本の環境教育を考え上では、各種市民団体が行っている環境教育の役割が極めて重要でるが、昨年度の研究では、主にわが国の学校教育の現場で行われている環境教育の現状を取り上げることにとどまり、各種市民団体で行われている環境教育の実体は考察対象とすることができなかった。それゆえ本年度は、まずわが国の市民団体によって行われている環境教育の現状を調査し、その現状を把握することに努めた。環境問題に関わるわが国の市民団体は多数存在するが、中でもひときわ大きな規模と充実した内容の環境教育を展開している団体の一つとして、財団法人日本野鳥の会があげられる。日本野鳥の会は、全国各地に89の支部をもち、定期的な探鳥会はもちろんのこととして、野生動植物の保護を目的とした保護区を全国に22箇所設け、野生生物の保護を行うとともに、生物学的研究も幅広く行っている。またこれらの保護区のなかには、ネイチャーセンターを設置し、専門のレンジャーを配置した環境教育施設もある。これらの施設では、野鳥の会のレンジャーが主体となった環境教育プログラムも実施されているが、施設を拠点とする市民団体によって実施されている環境教育プログラムも多数行われていた。本研究ではこれまでに、アメリカの野鳥の会であるNational Audubon Societyやドイツの野鳥の会であるNaturschutzbund Deutschlandにおける環境教育の実施状況を調査したが、わが国の野鳥の会で行われている環境教育は、多くの点でアメリカのオーデュボン協会で行われているものとの類似性が認められた。
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