2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境学習の場としての里地ビオトープの開発およびその教育的活用に関する研究
Project/Area Number |
18500667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹下 俊治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90236456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 信吉 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30240873)
山崎 博史 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70294494)
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Keywords | 環境教育 / ビオトープ / 里地 / 教材開発 / 学習プログラム |
Research Abstract |
本研究は、「里地ビオトープ」を身近な環境学習の場として捉え、それを取り巻く環境とそこに生育する様々な生物の実態をもとに環境学習材を開発し、それに適合した環境学習プログラムを考案することを目的して行った。本年度は、「里地ビオトープ」としての対象地域の選定および、その地域での基礎的データを収集することを主として行った。竹下は生物の生育状況、古賀は水質など化学的要因、山崎は水田ならびに里地全体の地形や地質についての調査を行った。また、土地の所有者など地域との連絡は主に山崎が担当した。 調査は、島根県大田市にある谷間の水田を中心とした地域および広島県東広島市の水田および溜め池を中心とした地域で行った。島根県大田市では、棚田および周辺の里山の景観および開花あるいは結実した植物について、デジタルカメラにより画像データとして収集し、コンピュータに蓄積した。広島県東広島市では、事前調査により既に得ていたデータの整理および再調査を行い、一部を研究論文として公表した。本地域では、集落を周回する散策マップの充実を図るとともに、整備済みのビオトープの生物調査や環境測定、その活用について検討した。活用については体験学習的なものだけではなく、中学校で用いる観察材料の生物を採集する場としても活用した。その観察教材には、ミジンコやミカヅキモなど淡水環境に生育する微細な生物を取り上げ、現地での実践も考慮し、観察器具として自作簡易顕微鏡を用い、その効果についても検討し、一定の成果を上げ、研究論文として公表した。本地域には野積みの石垣による棚田があり、多様な生物を観察できる学習の場として、生物だけでなく、その場の環境や石垣に用いられている岩石の種類や由来など、他地域の石垣との比較も含め、今後詳細に調査する必要性が認められた。
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