2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500670
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
赤松 直 高知大学, 教育学部, 助教授 (60211695)
|
Keywords | 分子動力学シミュレーション / 科学教育 / 食塩 / 状態変化 / 水 / 溶解 |
Research Abstract |
世の中にあるさまざまな物質は,多数の粒子(原子・分子・イオン)が集まってできている.それらがどのような位置関係にあり,どのように運動しているかによって,粒子の集合体としての物質の性質が決まってくる.しかしながら,粒子の配置や動きを実際に観察することができないため,この現象をイメージ把握することは難しい.そこで我々は,分子動力学シミュレーションの結果を利用することにより,物質の状態を原子・分子レベルで理解するための教材を作成してきた. 今年度は,1.食塩の状態変化および2.食塩の水への溶解の様子を原子レベルでアニメーション表示する教材を作成した.分子動力学計算により記録された微少時間毎の全て粒子の座標をもとに,連番の静止画像を作成し,それをもとに動画ファイルを,さらにこれら素材の入ったWebページを作成した: http://www.cc.kochi-u.ac.jp/~akamatsu/nacl 今回作成したWeb教材の見どころは,以下のとおりである: 1.食塩の状態変化(固体NaClの融解,液体NaClの固化および気化) 水の場合には固体の氷が融解すると密度が増大するが,NaClでは融解とともに密度が減少する様子が示された.また,NaClの気体においては,多くのナトリウムイオンと塩化物イオンとがペアを作って動き回っている様子を観察することができる. 2.食塩の水への溶解 NaCl立方体の表面からナトリウムイオンと塩化物イオンが水中に溶解しはじめ,最後には完全に溶解してしまう様子が観察できるようになった.
|