2006 Fiscal Year Annual Research Report
保育における環境教育の実践実態と背景要因に関する調査研究
Project/Area Number |
18500680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki Health Welfare University |
Principal Investigator |
井上 美智子 近畿福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80269919)
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Keywords | 環境教育 / 保育 / 研修 / 保育者 / インタビュー / 自然 |
Research Abstract |
今年度は当初の計画通り、2種の調査を実施した。まず、教育委員会や保育課、私立の関係連盟・団体等を対象とした保育者研修・及び研究指定事業の実施実態調査を郵送のアンケートにより実施した。幼稚園教員研修については、兵庫県内の42市町村の教育委員会と2私立幼稚園関連団体に、保育士研修については、同じく兵庫県内の42市町村の福祉課等と5私立保育園関連団体を対象とし、それぞれ回収数は、24団体(54.5%)・21団体(44.7%)であった。調査時期は、平成19年2月で、平成18年度の研修および研究指定事業についての質問に限定した。集計の結果、研修や研究指定実態は、地域による差が大きく、幼保や公私による違いもあるようであった。しかし、なかには環境保育と称して、市の環境局とタイアップして幼児期からの環境教育に関する研修、研究を行っている自治体もあり、行政の関心が現場の研修内容にも影響することが伺えた。もう一つの調査は、3年間継続して実施する、環境教育の優れた実践をしている保育者へのインタビューである。今年度は、広島市の私立幼稚園教諭、東京都の公立幼稚園園長、浜松市の私立幼稚園園長の3名を対象とした。いずれも保育を1日参観し、その後に3〜4時間にわたる半構成的なインタビューを行った。すべて録音し、そのうち2名についてはすでにデータ起こしが終了している。保育実践そのものには子どもの主体性を重視する・子どもの遊びを重視するという共通点がみられたものの、集団としてのあり方などには、違いが存在する。自然との関わる実践へ踏み出したきっかけや過程はそれぞれ多様であった。しかし、幼児期の経験を長期的な視野でみる必要性や人間の生活に自然が欠かせないことなど、共通してとらえられるものが存在した。
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