2007 Fiscal Year Annual Research Report
保育における環境教育の実践実態と背景要因に関する調査研究
Project/Area Number |
18500680
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
井上 美智子 Otani Womens University, 教育福祉学部, 准教授 (80269919)
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Keywords | 環境教育 / 現職者研修 / 研究事業 / 自然 / 保育者 |
Research Abstract |
(1)保育者研修の実施実態分析…昨年度末実施の教育委員会・保育課等保育士研修担当部署対象の調査結果を分析した。自然に関わる研修は幼稚園では6〜7割の自治体が実施していたものの、環境教育に関する研修の実施率は低かった。保育士研修は自然・環境教育いずれに関わる研修の実施率とも低かった。この傾向は、研究指定事業においても同様であった。養成教育ではこれらの実践力を伸ばす教育はあまり導入されていないため、現職者研修の役割が大きいが、不十分な実態が明らかになった。 (2)研究指定事業の実施実態調査…兵庫県の741幼稚園を対象に研究事業の実施の有無について調査した。268園が回答し、回収率は36.1%であった。研究事業の実施率は67.1%と高かったが、そのうち自然や環境を主題にした研究事業を行ったのは、実施園の17.8%であった。この結果は、上記の研究事業の指定主体に対する調査結果と一致している。本調査の目的である実践報告書についえは、作成率が公立で85.0%、私立で58.6%であった。そのうち、35%が資料提供に協力していただいた。 (3)保育者インタビュー…昨年度からの継続調査として4人目の保育者インタビューを実施した。昨年度のインタビューからは、熱烈な保育者志望者ではなかったという経歴上の共通点があげられたが、今年度の対象者も同様であった。これらから、保育者を目指すことしか考えてこなかったことがかえって狭い保育観・狭い世界観に保育者を押し込める可能性があることが示唆される。保育とは前任的な発達に関わる営みであり、広い世界観を持つ保育者の方がより豊かな保育実践に向かうことが容易であることが推察された。
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