2006 Fiscal Year Annual Research Report
理工系科目の教育に使用される言葉についての研究-問題点の解明と改善について-
Project/Area Number |
18500686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
田崎 弘章 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (40280490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 幸久 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (00228115)
三橋 和彦 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (60311114)
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Keywords | 科学教育 / 工学教育 / 科学技術用語 / 翻訳語 / 漢語 |
Research Abstract |
補助金支給期間(平成18年度〜平成21年度)の初年度に当たる本年は、主として、理工系教育に用いられている用語の収集および整理を行った。 明治時代に漢語に置き換えることで成立した欧米語の翻訳語は、科学技術の教育の中で、その姿をほとんど変えることなく生き延びている。本年度は、まず、学生が実際に使用している教科書・教材をサンプルに、そのような漢語の科学技術用語を収集した。そして、原語となる欧米語、その意味や用例、ラテン語・ギリシャ語・アラビア語等語源の意味等々を調べ、インデックスを作成する作業を行った。そのため、この作業を進めていくために必要な、辞書類やレファレンス用ソフトウエア、パーソナルコンピュータ等を購入した。 この作業は思った以上に手間暇が懸かり、当初に計画していた学生の科学技術用語の理解度を計るアンケート調査にまで至ることができなかった。しかし、近代日本において、科学技術の導入・普及に努めた先人たちの、言葉に対する工夫の跡をある程度辿ることができたように思われる。ただ、残念なことは、第二次世界大戦敗戦後に進められた教育改革、日本語表記改革のために、日本人の中から漢学の素養が失われ、明治大正期に作られた科学技術用語が、今の学生たちにとって理解が困難なものになっていることである。本研究の目的の一つは、その難解さの原因を究明し、先人が作り上げた言葉を現在に生かす方途を探ることであるが、原因と思われるものは、様々な要因が複雑に絡み合っていることが分ってきた。 次年度は、本年度に蓄積した用語の理解状況について、学生や授業担当者へのアンケート調査や聞き取り調査を実施し、問題点の究明を進める予定である。
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