2007 Fiscal Year Annual Research Report
理工系科目の教育に使用される言葉についての研究-問題点の解明と改善について-
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18500686
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
田崎 弘章 Sasebo National College of Technology, 一般科目, 教授 (40280490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 幸久 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (00228115)
三橋 和彦 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (60311114)
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Keywords | 科学教育 / 工学教育 / 科学技術用語 / 翻訳語 / 漢語 |
Research Abstract |
補助金支給期間(平成18年度〜平成21年度)の2年目に当たる本年は、昨年度に引き続き、理工系教育に用いられている用語の収集および整理を実施した。そして、昨年度に蓄積した用語の理解状況について、主に授業担当者へのアンケート調査や聞き取り調査を実施し、問題点の究明を進めた。 この聞き取り調査の結果、興味深い事実が幾つか明らかになってきた。例えば、「物理学」において、「work」の翻訳語として用いられている「仕事」という用語があるが、日本語の「仕事」という言葉があまりにも日常的なものであるために、授業等でその概念を理解させようとする際、学生に多少の混乱が生じることがあるという。また、「数学」において、「imaginary number」の翻訳語として用いられている「虚数」という概念を理解させる場合には、現代の学生には「虚実」といった漢語の概念に馴染みが薄いこともあって原語と翻訳語との間に乖離が生じており、概念理解を難しくしているように感じられるという。このような事例は、物理や数学教育に従事する教員の間では、以前からよく知られていたことのようだが、科目横断的に学術用語を理解することの困難を問題にし、総合的に考察したものはまだ少ないようである。この聞き取り調査の結果およびそれに対する考察については、独立行政法人国立高等専門学校機構主催・平成19年度教育教員研究集会において発表を行った。 本研究は、理工系科目の教科書・教材をサンプルとして参照するケースが多いため、本年度は高性能のスキャナーを購入し、文章の取り込みを迅速なものにした。また、シソーラスその他の辞書関係コンピュータ・ソフトを購入して効率の良い語彙検索を実現した。
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Research Products
(1 results)