2009 Fiscal Year Annual Research Report
理工系科目の教育に使用される言葉についての研究-問題点の解明と改善について-
Project/Area Number |
18500686
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
田崎 弘章 Sasebo National College of Technology, 一般科目, 教授 (40280490)
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Keywords | 科学教育 / 工学教育 / 科学技術用語 / 翻訳語 / 漢語 |
Research Abstract |
補助金支給期間(平成18年度~平成21年度)の最終年度に当たる本年は、昨年に引き続き、理工系教育の現場(主に授業)で用いられている用語の整理を行うとともに、それをもとに九州内の大学・高専の先生方と意見交換を行った。 本年度は、昨年度に引き続き、学生が実際に使用している教科書・教材をサンプルに、漢語の科学技術用語を収集し、その成立過程も含めて文献的な調査を実施した。それに加え、本年度は、今までの調査結果を援用しつつ、学生の用語理解に資するために、理工系教育の現場に、研究成果を還元する方法についても、考察を深めた。 本研究は、最初の段階から、理工系科目の授業を担当しない一般科目(国語国文)教員が進めたものであったため、当初に計画していた学生の科学技術用語の理解度を計ることに困難があった。しかし、最終年度を迎え、ようやく、大学・高専の先生方(主に電気学会)との間に、協力関係を築くことができ、展望が開けてきた。このことは、研究のあり方として、遅きに失した観がないわけではないが、文科系と理工科系科目の協力という、実験的な要素があったことを思うと、僅かな前進であっても得たものは大きいと考えている。 専門用語の漢語の成り立ちを、漢字一文字の字義レベルから解き明かし、それが理工系の用語としてどれほど適切に機能しているのかを丁寧に説明し、教科書等の文脈の中でどのように用いられているのか、という読解の基本を学生に伝えることは、初期教育において、最も大切なことである。今年度は研究会等で理工系科目を専門に教えておられる先生方を対象に、研究成果を発表し、有意義な意見交換をすることができた。今後は、本研究で得た知見と、人的なネットワークを生かして、更に分かり易い理工系科目の初期教育のあり方を、漢語研究の中から模索していきたい。
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Research Products
(1 results)