2006 Fiscal Year Annual Research Report
学校の環境教育における定量化実験法の開発と現職教員への研修
Project/Area Number |
18500695
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
橘 淳治 大阪府教育センター, 教科教育部, 研究員兼指導主事 (10359292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江坂 高志 大阪府教育センター, 教科教育部, 総括研究員 (30150238)
喜多 英一 大阪府教育センター, 教科教育部, 研究員兼指導主事 (00321927)
小山 修平 大阪府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00112540)
三田村 緒佐武 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50030458)
小林 正雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90030379)
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Keywords | 理科教育 / 環境 / 定量化 / 情報科学 / 陸水 / ものづくり / 比色計 / 教員研修 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小・中・高等学校の科学技術・理科教育振興の重要な柱の一つである、「実験や実習の推進」を重視し、環境や安全を配慮した定量化実験法を開発して、その適用性や測定妥当性について情報科学的手法を用いて検証すること、及び、現職教員研修を通してこれらの実験法を広く普及させ、理科担当教員の教科指導力を向上させることにある。 平成18年度の重点課題は、子どもを指導する教員が利用できる陸水の比色定量実験法の開発と、その定量法の適用性や測定妥当性の検証であった。研究成果は以下の通りである。 1.グリーンケミストリーの観点から、呈色反応の過程を見直し、毒物劇物のほかPRTR法の対象物質を極力使わず、また、廃棄物の少ないアンモニア態窒素をはじめとする陸水分析法の改良を行った。さらに、この方法を用いた教材開発を行った。 2.リン酸態リンやケイ醜態ケイ素の分析法については、還元試薬の種類を変えることにより、ヒトが認識しやすい波長城での呈色にシフトさせ、標準色列法などの視覚的認識による定量が容易に行えるようにした。 3.標準色列などの識別に関して、ファジークラスタリングなどのニューラルネットワーク手法を用いた感覚情報分析を行い、ヒトの感覚で識別が容易にできる標準色列の標準液濃度とその段階を決めることができた。 4.学校の設備や予算においても機器を用いた比色定量が行えるようにするため、種々の比色分析法について呈色城を調べ、その波長に適した発光ダイオードや受光素子を用いた簡易光電比色計の製作を行った。さらに、この簡易比色計を用いた水質分析実習を研修に取り入れ、定量精度や教育効果などの検証を行った。 5.本研究で改良や開発した比色分析法を用いた陸水の分析に関する実験講習などを教育センターの教員研修に取り入れ、環境学習における利用可能性をはじめとする実証試験を行った。 これらの成果を踏まえて、平成19年度は学校の理科や総合的な学習の時間で用いる教材開発とこれらを用いた教員研修の方法や教員の教科指導力の向上等について研究を進める予定である。
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Research Products
(4 results)