2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパー空間における学習のためのメタ認知スキルアップ支援システムの開発
Project/Area Number |
18500703
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
柏原 昭博 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10243263)
|
Keywords | 知識工学 / 知的学習支援 / ハイパー空間 / メタ認知スキル / 教育工学 / 認知的徒弟制 |
Research Abstract |
ハイパー空間での主体的な調べ学習における学習プロセスの観察・制御スキルを具体的なメタ認知スキルとして取り上げ、平成18年度に開発したメタ認知スキルアップ支援メカニズムを用いて、本年度は以下の1〜3を行った。 1.メタ認知スキルアップ支援システムの開発:H18年度に開発済みのメタ認知スキルアップ基盤となる学習プロセス外化支援、自己評価支援、Fadingメカニズムを統合し、メタ認知スキルアップ支援システムを開発した。 2.評価実験:支援システムを被験者に使わせて、メタ認知スキルアップ支援システムの有効性を調査した。調査では、被験者に自分のメタ認知スキルの程度に応じて主に外化ツール・外化支援のFadingを行わせ、3週間にわたり計18回、異なるコンテンツを学ばせた。その結果、すべての被験者について段階的に支援機能をフェードアウトしながら学習を進めることが可能であった。また、学習プロセス履歴の分析から、最終的にWebブラウザのみでも学習プロセスの観察・制御を行っていたことが確認できた。これらの結果は、本支援システムがメタ認知スキルの向上に貢献することを示唆している。 3.支援システムの洗練:評価実験の結果、被験者によってFadingの進度が異なること、Fadingした後再び外化支援が必要になる場合もあることを確認した。こうした状況に適切に対応するために、学習者による学習プロセスからメタ認知スキルの程度を動的に推定し、推定したレベルに応じた支援を提案するとともに、システムの拡張を行った。 近年、Webを中心に主体的に学ぶ機会が増え、メタ認知スキルの重要性が高まりつつある中で、メタ認知スキルアップ支援手法を提供する本研究成果の意義は非常に大きいといえる。なお、これまでの研究成果については、学習支援に関連する国際会議や国内での研究会で発表しており、今後学術雑誌でも公表する予定である。
|
Research Products
(17 results)