Research Abstract |
平成20年度は,1)我が国の小中学校のすぐれたカリキュラム開発事例の整理,2)英米の小中学校におけるすぐれたカリキュラム開発事例の整理,3)「学校を基盤とするカリキュラム開発」における「リーダーシップ」に関する文献研究に従事した。 これらの活動による知見を集約し,「学校を基盤とするカリキュラム開発」における「リーダーシップグループ」の役割に関する,概念モデル及び実践モデルを開発した。それらは,創造的,民主的,管理的というカリキュラム・リーダーシップの特徴,カリキュラムに関する語りと探究のコミュニティの構成メンバーの多様性等を踏まえたものである。 概念モデルでは,カリキュラム・リーダーシップが,カリキュラムに関する語りと探究のコミュニティにおける4つの活動として表現されている。それらは,(1)共同的な授業づくり,(2)リソースの確保と活用,(3)学び合う教師文化の創出,(4)理論とモデルの獲得である。 また,実践モデルは,(1)参加型研修の企画・運営,その多様な展開,(2)円環的なカリキュラム評価,(3)教師ポートフォリオたる研究紀要の作成,(4)外部評価たる研究発表会の開催,(5)教育委員会等との連携,(6)外部リソースの獲得と活用,(7)実践情報を共有するための装置(研究推進だより等)の準備,(8)他校等の実践情報の収集と共有化,(9)研究主任の活躍,教務主任との連携(役割分担),(10)役割ローテーションという,10のアクションを整理したものである。 なお,これらの知見は,冊子体の報告書(全73頁)を作成して関係者に配布・公開するとともに,7月に催される日本カリキュラム学会において口頭で報告した。
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