Research Abstract |
学習者の自発的な学習を支援するため,反力デバイスなどのVR技術に着目し,平成18年度にリアリティを伴った体験型学習支援システムの枠組みの検討を行い,2種類のプロトタイプシステムを構築した.また平成19年度は,そのシステム(システム1(滑車の題材),システム2(鉛直投げ上げの題材))を用いて,授業の設計を行い,高等専門学校等で教育実践,および評価実験を行い一定の効果があることを確認した.本年度は,基本システムを基に,没入型VRタイプを志向した学習支援システムへの拡張として,反力のリアリティとともに視覚のリアリティ提示機能を追加した. 具体的には開発済みの基本システムに小型のHMDを追加し,視覚情報のリアリティ化を試みた.また視点変更の容易化も併せて検討した.具体的にはwalkthroughを支援する機能として,身体動作で視点変更,平行移動,回り込み動作(回転移動)が可能となる入力モデルを新たに構築し,基本システムに実装した.またこの機能を実現するために,非接触型の入力装置として,Access製のTracker2000を用いた.このモデルと装置を用いる事により,両手でマウスや反力デバイスを操作しながら発見的学習を行うと同時に,両手がふさがったままでも視点の変更が可能となった.通常のコンピュータ支援学習において両手はキーボード操作やマウス操作で拘束されている事が多いので,この機能を実現した事により,より有効なVR空間での学習支援が行えるようになった。本年度はこれらの機能を実装したプロトタイプシステムの構築を行った。また,拡張機能の有効性を確認するため,大学生,大学院生を対象として機能の評価実験を実施し,臨場感の拡大,筆記動作を伴いながら体験学習が可能になるなどの,機能追加に伴う一定の効果,優位性が認められた.
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