2008 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語処理は自動化が可能なのか?-光トポグラフィによる脳科学的検証より-
Project/Area Number |
18500739
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
大石 晴美 Gifu Shotoku Gakuen University, 経済情報学部, 准教授 (50387479)
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Keywords | 英語教育 / 第二言語習得 / 脳認知科学 / 教授法・学習理論 / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、これまで長く議論されてきた英語学習時の自動化の可能性について、脳科学の最新のテクノロジーである光トポグラフィを用いて、直接的に決着をつけることであった。 実験結果において、学習者の習熟度と脳血流量の関係は、逆Uカーブを示し、習熟度が極めて低い学習者は、脳内が無活性状態で、脳血流量の増加が低く、中級学習者が、脳血流量の増加がもっとも高く、上級学習者になるにつれ、ある地点を境に再度脳血流量の増加が低く自動活性状態になっていく、いわゆる逆U字型のカーブを示した。すなわち、本実験結果から、学習を積み重ねにつれ、脳活性状態は、意識的から自動的処理状態に変化していくことが示された。 平成20年度は、平成18年度、19年度に実施した実験の成果報告を中心に行った。(11.研究発表参照)関連学会においては、英語教育に脳科学を取り入れたことで注目を浴び、脳科学的データから見た新しい教授法の開発のために、今後の研究成果が期待されている。 次の段階の研究では、英語教授法に焦点をあて、その効果を検証することが求められる。本研究代表者は、次のステップとして、"Narrow Reading"に注目し、その教授法の効果を検証する。"Narrow Reading"とは、リーディング指導の手法の一つで、ある特定の分野の読み物を集中的に読むことで、語彙力、構文力を高めると同時に、読解力を高めるとされる方法である。既に認知的手法によっては、効果が認められ、脳科学的データをもとに英語教授法の効果の検証を行い、認知学的、脳科学的両側面からの効果的教授法の開発を目標とする。
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