2007 Fiscal Year Annual Research Report
瞬目と唾液アミラーゼを指標としたWeb上の文字の読みやすさとストレスとの関係
Project/Area Number |
18500746
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
小孫 康平 Kansai University of International Studies, 人間科学部, 教授 (60260022)
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Keywords | 教育工学 / 瞬目 / 唾液 / 読みやすさ / ストレス |
Research Abstract |
本年度は、次に示す内容について研究を行った。 1.瞬目の画像解析 瞬目の測定方法としては、被験者の眼の上下に銀-塩化銀電極を装着するEOG(electrooculography:眼球電図)法が一般的であるが、顔に電極を装着するので被験者にとって違和感がある。そこで、画像解析ソフトウェア「Image J」を用いて、瞬目を容易に測定するための方法や実用性について検討した。その結果、眼瞼が閉じるときの眼球上領域での濃度変化を測定することで、瞬目を検出することが可能となった。また、得られた瞬目波形からは、瞬目率、瞬目間間隔、瞬目持続時間を導き出せることが明らかになった。 2.唾液アミラーゼと読みやすさとの関係 コンピュータディスプレイ上の文章の読みやすさと被験者の唾液アミラーゼとの関係を検証した。生体情報の計測には、唾液アミラーゼ測定器を用いて唾液アミラーゼを測定した。課題は、ディスプレイ画面に呈示されたエッセイの文章を音読することである。コンピュータディスプレイ画面の背景色は白とし、文字色は黒(文字の大きさは36ポイント)および黄色(文字の大きさは12ポイント)の2条件とした。1条件につき5分間音読した後、唾液を採取した。その結果、背景色が白で文字色が黄色の方が黒よりも唾液アミラーゼ値が高い傾向があった。読みにくい場合は唾液アミラーゼ値が高く、ストレス状態に陥ったことが考えられる。また、コンピュータディスプレイ上の文章の読みやすさと被験者の指尖脈波との関係を検証した。測定で得られたデータを用いてカオス解析を行いリアプノブ指数を求めた。その結果、読みにくい場合はリアプノブ指数の値が低い傾向であることが示唆された。
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