2007 Fiscal Year Annual Research Report
平安時代料紙の技術-着色繊維による加飾(羅文、打雲、飛雲など)-
Project/Area Number |
18500770
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
増田 勝彦 Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (40099924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕次 東京国立博物館, 情報課, 課長・学芸員 (00356271)
四辻 秀紀 徳川美術館, 企画情報部, 部長・学芸員 (30201073)
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Keywords | 着色繊維 / 平安時代料紙 / 羅文 / 打雲 / 飛雲 |
Research Abstract |
本研究の目的である「和紙に関する技術史的研究の一環として、幻の紙と云われている平安時代料紙の復元実験を通して、わが国伝統技術の理解と伝承に貢献すること」は、ほぼ達成された。 即ち、平安時代独特の料紙加飾文様の内、従来、幻と言われていた「羅文紙」および「飛雲羅文」、時代の変遷によってその形態が異なる「飛雲」、現代にまで伝承されている形象とは大きく異なる平安時代特有の「打雲」、ごく一部の平安時代料紙にのみ見られる「通文」のそれぞれを模造するために有効な「材料とその調整法」、「文様生成のための道具とその使い方」について、公表できる知見を揃えることができた。 成果は、平成18年度文化財保存修復学会第28回大会で「料紙加飾技法-打雲、飛び雲について-」、平成19年度文化財保存修復学会第29回大会で「料紙加飾技法-羅文表現と切断繊維長および分散水粘度-」として発表したが、さらに本年平成20年度文化財保存修復学会第30回大会にて「料紙加飾技法-打雲技法の変遷-」として発表する。すでに平成17年度文化財保存修復学会第27回大会で発表した「羅文紙復元のための模造実験」と併せて、平安時代に見られた著色繊維による加飾料紙を模造する技術を公表できるようになった。 その元となったのは、研究分担者が所属する東京国立博物館所蔵、徳川美術館所蔵、加えて京都国立博物館所蔵の作品を顕微鏡観察して得られたデータである。文様の形象が模造できるために必要な材料調整は、以上の観察データを参考としていることで、本研究を実証的な研究とすることができた。実験は、研究協力者である大川昭典氏が嘱託勤務する高知県立紙産業技術センターで行うことができた。その結果を持ち帰って、大学内での実験設備に生かし、実験を継続することができた。 本研究遂行にあたってのチーム編成と研究期間設定などが適切に計画された結果と言える。
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Research Products
(1 results)