2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 安隆 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (70134442)
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Keywords | 活断層 / チベット高原 / 横ずれ断層 |
Research Abstract |
断層が無傷な岩石中に発生し,時間とともに大規模な断層へと成長・成熟していく過程を解明するために,チベット高原東部のKangding断層帯中部の屈曲に伴って生じた新しい断層帯(Dalianshan断層帯)をテストフィールドとして,今年度は以下の調査・研究を行った. (1)断層の総すべり量を決定するための地形・地質構造解析: 調査地域に分布する活断層について,それが動き始めてから現在までに積算されたすべり量を把握するために,地形の解析と基盤地質構造の解析を行った.地形解析には,デジタル地形データおよび1/5万地形図を用いた.断層周辺の基盤地質構造を精度良くマッピングするために既存の地質データ(地質図と文献資料)を可能な限り収集し,それを基に細部をリモートセンシング・データによって補完した.以上の準備の後,日本側研究協力者が中国を訪問し,中国側共同研究者・何宏林と以下の総合的な解析作業を行った. (2)断層帯の高精度mappingとその現地検証: 四川省地震局は調査地域全域をカバーする縮尺約1/6万の空中写真を保有しており,これを利用して空中写真判読を行い,断層線の位置と変位地形をmappingした.この結果に基づきフィールド調査を行って,判読結果を検証するとともに,代表的な地点において変位地形の測量を行った. (3)同断層帯南部セグメントにおいてトレンチ掘削調査を実施し,この断層の最新活動時期を明らかにする証拠を得た。この地点では多数の年代試料を採取することができた.次年度に年代測定を実施して,最新活動時期を決定する予定である.
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