2006 Fiscal Year Annual Research Report
歴史資料から知られている南海大地震履歴の地形・地質学的検証
Project/Area Number |
18500779
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前杢 英明 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50222287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井龍 康文 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00250671)
山田 努 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50321972)
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Keywords | マイクロサンプリング / 炭素同位体分析 / 酸素同位体分析 / ポイントカウンティング / 完新世隆起石灰岩 / 地震発生層準 |
Research Abstract |
平成18年度は、地震発生層を含む新たな完新世隆起石灰岩試料の採取地点の詳細な選定、手続き、および掘削作業を行う予定であったが、数度にわたる室戸岬周辺の現地調査の結果、新たな試料が得られる可能性がある採取地点を発見することができず、既存のコア試料の再精査を行なった。その結果、既存のコア試料を使用して、それらの炭素・酸素の安定同位体分析などを行なうことによって、ある程度の地震発生層準の絞り込みが可能と判断されたため、コア試料から微量の試料採取を行なうことにした。そのため、現地で大量のコア試料をとるために購入を計画していた掘削専用ドリルに代わり、コアから微量の試料を正確に採取できるマイクロサンプリング用の専用ドリルを購入した。コアからの微量試料採取にあたり、採取ポイント付近を構成する石灰岩の堆積深度を推定するため、石灰岩を構成する藻類やサンゴなどの古生物学的分析(ポイントカウンティング)を行なった。採取したコア試料は、炭素・酸素の安定同位体比から、地震発生層準を検出するため現在分析中である。また、本年度は、地震発生時期や隆起量検証のための対比基礎資料として、室戸地域の地震隆起地形や隆起石灰岩分布についての概要をとりまとめ、専門雑誌に掲載した。さらに、次年度に向けて、石灰岩を構成する生物種構成比から、より厳密に石灰岩の堆積深度を推定するため、多種の現生種が大量に、また連続的に付着している露頭の調査・探索を紀伊半島南部において行ない、候補地を絞り込んだ。
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Research Products
(1 results)