2006 Fiscal Year Annual Research Report
空間情報技術の活用による歴史的景観の保全と復元に関する研究
Project/Area Number |
18500786
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 眞 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80116128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一成 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (10330789)
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Keywords | 空間情報 / 歴史的景観 / 地理情報システム / CAD / CG / モデル化 |
Research Abstract |
多様な歴史的街並みが生きている関西地域において、歴史的景観を保全、復元、活用することを社会の要請と捉え、歴史的景観の保全と復元のために、各種の空間データを効果的に活用した分析・表現手法の開発を行うことを目的とする。GISとCAD/CGの両技術に加えて、RS(リモートセンシング)やGPS(汎地球測位システム)の技術を統合したシステムを構築し、またDMデータや航空機レーザ測量データ、さらには衛星画像といった多種多様な空間データを融合させることで各データのポテンシャルを引き出し、さまざまな観点から歴史的景観を分析・表現することにしている。 今年度は、高槻市を研究対象地域として高槻城と城下の復元に取り組んだ。すなわち、江戸期の高槻城下を現代図上に定位し、3次元空間に展開するための2次元基図を作成するとともに、GISとCAD/CGの両技術を用いて3次元モデルに展開した。本丸・天守閣や二の丸・御殿などの城郭や城郭を取り巻く堀割や城下の寺社・町家をCGモデルとして復元した。また、航空機搭載型レーザ計測データとDMデータを融合して用いることにより、GIS技術により現代空間も3次元モデル化し、3次元景観シミュレーションにより江戸期と現代との対比・変遷を分析するとともに3次元CGモデルとして表現している。 さらに、高槻市教育委員会文化財課や高槻市立しろあと歴史館とのコラボレーションを行いながら、市民向けのWebによる発信を企画し、「高槻城3D映像」と題するCGアニメーションを制作した。このCGアニメーション映像は、市の公式ホームページから発信されている。なお発信に際しては、新聞発表も行われ、主要4誌の地域版で取り上げられている。また、しろあと歴史館での3Dビューワによるインタラクティブな展示も実現させている。そのCGモデルでは、周辺地形を拡大し北大阪から京都にかけての地形をモデル化している。
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Research Products
(2 results)