2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊田 威信 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (80312411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 詞明 北海道大学, 低温科学研究所, 博士研究員 (20374647)
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Keywords | 海氷 / 季節海氷域 / 数値海氷モデル / 氷盤の大きさ分布 / 氷厚分布 / 衛星画像解析 / 海氷現場観測 / 海氷漂流速度分布 |
Research Abstract |
今年度は数値モデルの開発の準備段階として、1.これまでに得られたオホーツク海氷データの総まとめ、2.Landsat衛星の画像の収集、3.現場観測データの収集と解析、それに4.オホーツク海と南極海の海氷漂流データの構築に主要な時間を費やした。1.に関しては、オホーツク海南部で得られた海氷コアや積雪のサンプルデータを詳細に解析し、この海域の海氷の一般的な特性を明らかにした。特に成長過程に焦点をあてて、氷厚成長過程にとってraftingやridgingのような力学的なプロセスが重要であること、また、氷厚約40cmまでは平坦な海氷が二重に重なるrafting過程が卓越し、それよりも厚い氷は数10cm厚の氷盤が破壊を伴って乗り重なるridging過程が重要になってくるように、成長過程には二段階が存在することなどを結論付けた。これらの結果は論文にまとめられ、モデルの構築にあたって重要な基礎資料となることが期待される。3.に関して、当初予定していたオホーツク海観測に加えて、平成18年8月〜10月にドイツ研究船「Polarstern」に乗船し、南極ウェッデル海北西部の海氷観測に参加する機会を得た。平成19年2月にはオホーツク海南部で巡視船を用いて海氷観測を行い、双方の海域でヘリコプターを用いたビデオ観測により氷盤解析用の画像、海氷の構造特性に関わる資料などを収集できた。4.に関しては、SSM/I画像から得られた海氷密接度分布と併せて、海氷内部応力のパラメタリゼーションに必要なデータセットを構築することができた。以上のように、研究代表者が約2ヵ月半の南極航海観測に参加したこともあって、当初予定していた従来のモデルの特性の把握までには至らなかったが、当研究課題に関わる基礎データを2つの異なる季節海氷域で収集できたため、今後有意義な解析を進めてゆきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)