2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物保護のための光化学オキシダントの環境基準値の設定に関する研究
Project/Area Number |
18510020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
伊豆田 猛 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (20212946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和雄 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 研究企画室副室長兼自然環境担当部長 (90415399)
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 主任 (40425658)
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Keywords | 光化学オキシダント / 作物収量 / 地図化 / 環境基準値 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
都市近郊農作物の収量に対する現状の濃度レベルのオゾンの影響に関する現状評価を行ない、農作物保護のためのオゾンのクリティカルレベルを評価した。供試植物として、コマツナ、タアサイ、チンゲンサイ、サントウサイ、ハツカダイコン、コカブ、シソ、サラダナ、シュンギク、ハネギおよびダイズを用いた。これらの農作物をオープントップチャンバー内で育成した。ガス処理区として、活性炭フィルターによってオゾンを除去した空気を導入した浄化空気区、外気を導入した1.0倍O_3区および外気の1.5倍のオゾン濃度に設定した1.5倍O_3区を設けた。東京都と埼玉県をモデル地区として、現状の濃度レベルのオゾンによるコマツナ、チンゲンサイ、コカブ、シュンギクおよびハネギの収量低下率を推定した。オゾン暴露実験で得られた結果や東京都と埼玉県の大気汚染常時監視測定局で観測された2002〜2004年の7〜9月におけるオキシダント濃度を地理情報システム上に取り込んで、オゾンによる5種類の農作物の収量低下率を地図化した。 シソとダイズ以外の農作物においてオゾンのAOT30と相対的収量との間に有意な直線回帰式が得られた。東京都東部地域と埼玉県東部地域におけるオゾンによる収量低下率に比べて、東京都西部地域と埼玉県北部地域におけるそれは高いと推定された。しかしながら、シュンギクとハネギのオゾンによる収量低下率は、東京都東部地域と埼玉県東部地域においても比較的高いと推定された。オゾンのAOT30とハネギの相対的収量の回帰直線とその99%信頼区間を用いて、農作物保護のためのオゾンのクリティカルレベルを評価した。収量におけるオゾン感受性が最も高かったハネギに注目し、日本の都市近郊で栽培されている農作物の保護のためのオゾンのクリティカルレベルとして、30日間の9:00〜16:00におけるオゾンのAOT30である1.5ppm・hを提案する。
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