2006 Fiscal Year Annual Research Report
予防的アプローチを考慮した地域レベルでの環境リスク管理に関する協議システムの構築
Project/Area Number |
18510036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村山 武彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00212259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 大 明治大学, 理工学部, 教授 (60269397)
関澤 純 徳島大学, 総合科学部, 教授 (60171336)
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Keywords | リスクコミュニケーション / PRTR / 地域管理 |
Research Abstract |
まず、これまでに構築された有害化学物質に関するリスク情報システムの特性を整理するとともに、情報システムの運用の場となるコミュニケーション手法に関しても、事例を整理し、効果と課題を抽出した。このため、既にPRTR情報をはじめとするリスク情報を用いて会合形式のコミュニケーションを地域的なレベルで進めている米国での調査結果を整理し、わが国で求められる協議手法を具体化する際の検討材料とした。 上記を踏まえて、本研究で実施する協議手法のフレームワークを構築し、本研究の実施地域である埼玉県の関係者を含めた関係者の間で、基本的なコンセンサスを得ることに努めた。その中で、次年度に実施する社会実験の概要について検討する機会を持った。 一方、実際のコミュニケーションで扱う情報源として埼玉県全域を対象とした有害化学物質の濃度分布を把握することを試みた。このため、国によって公表されているPRTR(環境汚染物質排出移動登録)の情報を基に、産業技術総合研究所の化学物質リスク管理研究センターが開発した曝露・リスク評価大気拡散モデル(AIST-ADMER)を用いて、県内の発生量が多いと考えられる5物質ごとの分布状況を地図上で示すとともに、それらの複合的影響の状況についても検討を行った。これらの作業を通じて、県内で化学物質の排出量が多い地域の傾向を把握した。こうした情報を充実させ、次年度に行う実験で実際に用いる情報源として用いる。さらに、これらの物質の発生要因を検討し、議論の際の選択肢の検討に努めた。
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